OVERVIEW
RNAフロンティアサイエンス部門の概要
RNAは、生命現象の根幹を支える生体分子で、その多彩な機能の重要性に注目が集まっています。21世紀のポストゲノム研究で、ゲノムから機能未知なRNA群が大量に産生されていることが発見され、それらのRNAの新機能探索が世界中で進んでいます。そうした中から、難治性疾患の原因となるRNA毒性の研究、RNAを標的とした創薬研究など、RNAを標的とした医学創薬研究が花開こうとしています。さらに、COVID-19パンデミックにおけるmRNAワクチンの有効性によって、RNAが創薬ツールとして社会に実装されたことは特筆に値します。現在のRNA研究では、学問の分野を越えて革新的知見が多発的に現れ、今まさに生命科学を変革する新たな潮流を形成しようとしています。そこで、大阪大学先導的学際研究機構RNAフロンティアサイエンス研究部門では、学内の各部局に散在する核酸化学、基礎生物学、医学、創薬科学の優れたRNA研究者を結集し、世界最先端の卓越した分野横断研究を展開します。また、生命科学の産学共創をRNAサイエンスに誘導し、今後の発展が大いに期待される多面的なRNA創薬を、社会のための学術研究、あるいは社会実装研究として実践します。同時に、次世代を担う若手研究者の育成に取り組み、本学における持続可能なRNAフロンティアサイエンス研究エコシステムの確立を目指します。